『音と花と人と』の会



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会を発足させるにあたって

近年、障がいを持つ人々への認識や理解の高まりと共に、活躍の場が広がりつつあります。『バリアフリー』という言葉は、今や誰もが知っている言葉ではないでしょうか。
このように、身体の機能に障がいを持つ人々への配慮や支援が増えてきている中、精神障がい者、知的障がい者、発達障がい者・・・など、外見からはわかりにくい障がいを持つ人々への認識や理解の度合いは、どうでしょう?
私は、極めて低いと感じています。
私は鬱を患っていたことがあります。また、息子は高校3年生の時に、発達障がいの診断を受けました。
これまでに、当事者として、家族として、何度も心無い言葉を投げられてきました。関わらないでおこう、さらには排除しよう、という言動にあうたびに傷ついてきました。 

息子は、診断結果を聞いたことで、これまで苦しんできた事の理由がわかり、やるせない気持ちでいっぱいになったのでしょう。コンクリートの壁を殴り骨折しました。やり場のない思いを外に発することができませんでした。深夜の徘徊、リストカット、反社会的なグループとの関わり… 等が見られ、警察のお世話にもなりました。
そんな息子に困惑し、公的な発達障害支援機関へ相談したところ、行政や支援機関からの支援を受けることができました。息子は、手厚い支援を受けながら、社会人として生きていくための勉強や訓練に取り組みはじめました。

ですが、これでめでたしめでたし…ではありません。
私たち家族は、危機感から解放された訳ではありません。世間の目が気になり、家庭内で意見の対立もあり、常に不安が付きまといました。そして、心身ともに疲労が蓄積されていきました。
そう、現状では家族には支援がないのです
行政や支援機関も、支援対象としているのは障がいのある本人だけです。何とかカウンセリングを受けることはできましたが、解決に至るものではありませんでした。

そのような中、私の心が折れることなく頑張ってこれたのは、私のそばにいつも『音楽と園芸と可愛いペット』があったからです。どれも、鬱を患っていた時に医師からすすめられたものでした。
昔、バラ園に憧れていたことを思い出し、ローズコンシェルジュの資格を取って花を育てるようになり、オカメインコを2羽お迎えしました。
音楽は仕事モードに入ってしまうので、楽しむだけという訳にはいきませんが、園芸とペットは別物です。育てている植物の様子をSNSで発信すると、園芸仲間が日本全国にできて、たくさんの人が応援してくるようになりました。

鬱が完治してから少しずつ頭の中に描かれてきたこと・・・
“これらは、同じように辛い思いをしている人々の心の支えにもなるに違いない”
その想いはふくらみ続け・・・
私はいつの間にか
『音楽と園芸を通して人々がつながっていける活動をしたい』と、声に出していました。
そして大津市障害福祉課や、大津市教育委員会に相談に行ったところ、任意団体を作ることを勧めて頂いたので、知識ゼロからのボランティア任意団体の発足が決まりました。
ペットは、アレルギーの問題や、場所に限界がありますので、音楽と園芸を主体とし、
学生の頃に少し勉強していた音楽療法をさらに大学で学び直しました。

会の名前は…そのまんま『音と花と人と』です。
平仮名にすると9文字中5文字が『と』なんです。言いにくいでしょう?そこで、通称『とととの会 』としました。

外見からはわかりにくい障がいをお持ちの方、精神障がいや、知的障がいや、発達障がいをお持ちの方、そしてご家族の方・・・・
皆さんの仲間が、とととの会でお待ちしています。

一人で悩まず、また、家族だけで抱え込んだりせず、
たまには音楽を聴いたり、お花を育てたり、お話しをしたりしませんか?
みんなで思いを共有して、辛いことや大変な事を乗り越えていきましょう!

声に出して
『鬱なんです。○○で困っているので助けてくれませんか?』
『発達障がいがあって、○○は苦手なんです。協力してもらえませんか?』と、
普通に言える社会になるよう、一緒に働きかけていきましょう。



                                                                                               『音と花と人と』の会  会長 高橋 佳緒里









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